今年のノーベル文学賞にボブ・ディランが選ばれました。
私より十歳以上年上の所謂、団塊の世代が好んで聴いているのは知っていましたが余り関心がありませんでした。しかし、何かの機会に、私の生まれた年に作られた代表作「風に吹かれて」の訳を読んだ時は衝撃を受けました。
全てのフレーズが印象的ですが、「人にはどれ位の耳があれば、人々の悲しみが聞こえるのか」「どれ位の砲弾が飛び交えば、永久に禁止されるのか」等は今でも新鮮です。「友よ、答えは風に吹かれて、風に吹かれている」と結んでいます。私は長い間、「偉い政治家や学者でなくても、よく考えれば答えは君に吹く風の様に身近な所にあるじゃないか」と歌っていると思っていました。でも、当時のボブ・ディランのインタビューを読むと、「風の様に直ぐ飛んで行ってしまうから中々分からない」と言っている様です。
ノーベル賞受賞者に対抗する等考えもしませんが、作品の受け止めはそれぞれでいいと思うので自分はこれまでのスタンスで行きたいと思います。