佐賀はバルーンフェスタ、唐津くんちと一年で一番人が集まる季節になっています。一方で今年の米の作況指数は全国最低という暗いニュースもありました。
早いもので父親の介護施設での音楽ボランティアも五か月目になりました。先週も帰って来て、「今日は初めて皆で『リンゴの唄』を歌った」と言っていました。良く続くなあ、と感心して話を聞いていましたが、その日はプチ事件があったようです。
「利用者さんが何時もの半分位しか居なかった」と言います。それは可笑しいと思い詳しく聞いてみると、「職員が二人ほど急に施設外レクレーションでドライブを計画して車二台で出発した」と。私は一瞬耳を疑いました。自前で歌集を作り、利用者さんにもあんなに喜ばれていたのに。勿論、その日の内に施設長さんから、「とんでもない失礼な事をしてしまい本当に申し訳ありません」と、電話がありましたが。
電話の後頭の中に、父親が残った利用者さん達と、昭和22年に大ヒットし焼け野原の日本を励ました『リンゴの唄』を合唱している光景が鮮やかに浮かんで来て、私は怒りやそれとは全く正反対の優しい気持ちやらが入り混じって不思議な心持ちになりました。
鹿島の片田舎にある介護施設での小さな出来事でした。