早いもので１０月も終わろうとしています。日暮れも早くなり秋の深まりを感じます。

選挙で近くを候補者が通ることが多くなりましたが、この間、お世話になっている鹿島の介護施設の散髪のお手伝いに行った時のことを思い出しました。

手すきの時にレクリエーションを手伝ってくれと言われていたので、その日の佐賀新聞を持参していました。レクリエーションの最初に幾つか記事を紹介すると喜んで聞いてくれます。分かりやすいようにとか、少し話を広げてとか工夫しますが。時節柄、少し選挙の話にもなりました。すると、９０歳半ばの女性の利用者さんが大きな声で、「誰がなっても一緒」と言われました。認知症はほとんどなく、携帯電話も持って自分で家族に連絡するような方です。しっかりしているせいか、職員にも他の利用者さんにも結構厳しいことを言われます。反論すると逆効果なので、皆さん「そうですね」と受け流すことが多いです。私もその時は、「色々不祥事もあるし、そうかも知れませんね」と言いました。

その後の休憩の時間に目の前でご飯を食べていた30代後半の男性職員が、「さっきのTさんの言ったことにはがっかりした」と話し掛けてきました。歴史などに詳しく、同じく歴史好きの自分とは馬が合う人です。直ぐには意味が分かりませんでしたが、「今どきの若い人が言うんだったら分かるけど、もう百年近く生きて来た人があんな感じなのは悲しいですよ。そう思いません」と言うのを聞いてなるほどと思いました。真剣な顔で続けて、「私達は戦争も経験して、戦争が終わるまでは選挙権もなかった。色々あるだろうけど政治には興味を持ってほしい、位は諭してほしい」と言います。説得力のある見方だなあと感心しました。気持ちだけはいつも青年のようにと心がけている積りですが、大いに反省しました。